Vignette from the Book

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読書および探求の再開

当初の考えの確認

ブログを書かなくなってから随分たちました。予定通り会社をやめてしまったのですが、その後の予定はあまりないので、色々模索しつつ読書だけはコンスタントにしたいと思っています。次の活動に繋がる内容についてはまた別のページで描こうと思いますが、ある程度雑多な内容についてはここで書いていこうと思います。

これまでの文章を、自分で言うのは馬鹿げていると感じますが、なかなか面白いところがあるなと思いました。多分、気合いを入れて書いたのだと思います。だから長続きしない。

驚くべきことに初めてブログを書いたのは2年前なので、様々な違いは生まれていますが、根本的な考え方はあまり変わってないことに安心感を覚えます。

振り返り

vignette1101.hatenablog.com

その時挙げた「仮説」を取り上げてみましょう。

  1. 製造業はグローバル競争の中で戦略性が問われるが、アプローチは個別多様にならざを得ず、現在の形骸化した状況では闘うのは厳しい。

  2. 現先進国、特に都市部で起こっているのは良い場合も、悪い場合もアイデンティティの混乱に欲求の変化かも

  3. 地域については問題と問題意識が大きいことから、変化は確実に生まれる。小さい範囲で人々が安心できるアイデンティティを確立できるような方法論を用意したほうがいい。
  4. いずれにせよ、多様に変化するということから目をそむけることはできなくなる。そうなると、情報の発信・受容の動きをよくしなければならないし、様々な人が参加する、短期的なプロジェクトをまとめたり、ディレクションすることが結構重要になるかも。
  5. マスに働きかけるというアプローチはWebではネガティブにもボジティブにもどちらにも大きく触れるが、ある程度範囲を絞れば、それほどネガティブにはふれない。
  6. 実際にビジネスを始めるとすれば、ほとんど場合リスクを考えれば、ある程度規模を絞って、コミュニケーションを密にするほうが良い。特に地域のビジネスはそれは前提。だとすれば、ネットはどんどん使えばいいし、もっとアイディアが出ていい。
  7. 地域の問題は、ビジネスモデルはオープンな方がいいかもしれない。地域内での競争は必要だが、地域間の競争は結構キツイ。負けたから、その地域は終わりという論理が広まるのは危うい

これについてはほとんど変わってないといっても良いです。1については結局、グローバルで争うような製造業からは完全に離脱する思いで退職をした。これはグローバルな方向性に可能性がないということではありません。大企業がグローバルに戦略を立てると言うのは自然だと思いますが、日本製造業の多くは、人材、技術面で構造的な問題を抱えているため、グローバルで競争する場合に、非常に辛い戦いしかできないというのが私の見立てです。そして、この状況に対して、多くの構造的な問題がそうであるように、個人の力などでどうにかなる問題ではないです。相互依存体制が弱いものであれば多少の揺らぎがあれば、それが変化の起点になるのでしょうが、私から見ると、現状の不合理なシステムへの信仰に近い依存は、それを余地のないほど強固なものであるように思います。

なぜ地域か

個人的には地域的なものから付加価値をつけていかない限り、大企業中心の生産と、その生産のための再生産労働となってしまうと思っています。大企業中心の生産がうまくいかなければ、再生産部分、例えば、保育・教育・介護などは基本的にはないがしろにされる可能性があります(さすがにその部分価値観は変わってきているように思えますが)。簡単に言うと、保育・教育・介護は大企業がものを作るために存在していると言わんばかりの社会体制は、どんどん人を幸せにしなくなるでしょう。

我々の現在の社会常識のイメージは、高度成長期的生産構造、つまり人口増と物質的な生産性の向上によって、国家的な徴税がうまくいき、再分配も細かい部分を除けばうまくいっていたという時代のものです。細かい説明は省きますが、生産性向上が見込めなくなった場合、単純に税収が下がり、再分配は難しくなります。これは単純な話ですね。大きな範囲で考えると不安がどんどん増していきます。まだまだ頑張れるという意見は正しいと思いますが、大規模組織レベルでの生産性向上はこれまでずっとやってきました。今でも頑張ろうとはしていますがそれには限界があるし、日本の場合、人手不足ということもあり、余計なものはすぐ削減みたいに、副作用がある方向でしか手が打てないという側面があります。

私が地域に注目するのは、ある種の信じるものが失われた状態(社会学でいうアノミー状態)を基本的には地域的なアイデンティティを確立するしかないと感じるからです。アイデンティティというと何か違う気もしますが、要するに”私はここで生きている”という感覚です。産業がポスト製造業化するのだとすれば、この観点は非常に重要です。

「私らしさ」を追求するという捉え方になり、おそらく一般的な企業はこのような形で個別化による付加価値を狙うのかもしれませんが、成功するのはごく一部でしょう。基本的には生産性の向上が伸び悩めば、全体は貧しくなるという現象は避けられないはずです。その場合に、マスカルチャーが提示する私らしさというただの消費行動に依存してしまうのは非常に危険な行為だと言わざるを得ません。

極端な言い方をすれば、豊かな消費生活をとるか、地域の関係性の豊かさをとるかと言う話になりますが、現実はそんな切り分けにはならないかもしれません。しかし、土地に根ざした安心感を確保しておかないと、我々は、どんどん自己が追い詰められていくような世界に入っていくのではないかと思います。これについてはジグムント・バウマンの書籍などを取り上げながら論じてみたいですね。

そんなことを考えながら地域でフラフラしているわけですが、今の所、何に繋がるかはわかりません。ただしそのようは大枠で地域で考えるという人はそれなりの数いほうがいいと思うので、エンジニア崩れではありますが、時間の許す分、なんちゃって思想家としての努力をしたいと思います。