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本などを紹介しています

理解について

昨日に続いて、伝えることについて書きたいと思います。

私がぶつかった問題は、自分の持っている情報って伝わないな、ということ。 どうやったら伝わるようになるのかはおいといて、伝わらないということ、伝えることってどういうことだろう、ということを 巡ってみたいと思います。

『理解の秘密』

今日はリチャード・ワーマンという人の『理解の秘密』という本から感じたことを書いてみます。

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ワーマンはデザイナーのようですが、著作は情報に関することが多く、かの有名なTED Conferenceの創始者の一人です。それだけで興味深いですね。 ワーマンについては松岡正剛さんが同署について千夜一冊というページで書いているのでぜひ見ていただきたいです。、私が『理解の秘密』を購入したのはこの文章が素敵だったからです。

松岡さんの文章の中では、以下の部分がとても気になりました。

ワーマンは、仕事こそが表現であり芸術であり、生活であって技能であると考えている。かつ、どんな仕事の本質も「情報の転移」でできていると考えている。情報の転移によって何がおこるかといえば、そこで初めて「理解」のシャッフルがおこる。だからワーマンは、すべての仕事は「アンダースタンディング・ビジネス」となるべきだと口癖のように言っていた。(千夜千冊 1296夜リチャード・ワーマン『理解の秘密』)

我々は理解というのがある一定の情報がこちらからあちらへ、一方的に流れるというより、情報の転移によって「理解」のシャッフルが起こるというように捉えています。これは伝達による内容理解が、「生成」的な意味を帯びていると言っていい良いのではないでしょうか。TEDの創始者であるワーマンがこのようなことを主張してたのは面白いことですね。逆にいうと、情報の転移による理解のシャッフルが起こっていない、お互いがうまく反応できていないというのが、伝わらないという状況なのかもしれません。

『正しい方法』に振り回されない

この本で私が気になったメッセージを2つ紹介します。一つは「正しい方法」に振り回されないこと。いわゆるハウツー本の危うさがここにあるかと思います。様々な不安から、こうやれば「正解」ということを探してしまうのは、よくあることです。正解がある問題はもちろんありますが、コミュニケーションの場合、それはちょっと危険な考え方です。なぜなら、伝達においては様々レベル、ニーズ、パーソナリティに対応するために、いろいろな種類がなければならないからです。複雑な機械の操作を教える時に、大人のエンジニアと子供に教える時の、メッセージは違うはずです。個人的なエンジニア経験から行って、パーソナリティに応じて説明の仕方を変えるということは案外重要なスキルなのではないかと思います。これについては他の専門的な仕事をしている人から同意してもらえたりすると面白いですね。

簡単ではなく、明確にすること

もう一つは大事なのは簡単ではなく、明確にすることだ、ということ。わかりやすい話が受けるのはよくわかるけれども、実際に求められているのは複雑な状況の中でクリアな問題意識を共有して、創造的な解決策を提供することです。だから、もし特定の誰かに伝えたいことがあるのであれば、その人のことを考えながら、色々なやり方を模索しておくべきです。明確であることが、メッセージが伝わること、それが行動につながることに必要なことですが、簡単であることだけがそれを達成するということはないという子でしょう。難しいのは不特定多数の人に何かを届ける場合、もしかしたらこれについては、できるだけ簡単にして、伝えることを絞るということになるのかもなー、というあきらめもあります。

結論と「書くということ」

結局のところ、明確にこうすれば伝わるという方法はないと考えるべきだという結論。不特定多数に届ける文章としてはアウトかもしれません。でも私的にはそういう、わかりにくさというのに「愛おしさ」を持ってもらいたいのです。それなのに、わからないことにイライラしてしまった自分に反省したというのが、前回の話でもあります。 そう考えると不特定多数に発信するブログというのは難しい。 このブログは半分自分自身に向けた、訓練なようなところがあります。でもできれば何らかのフィードバックがあって、こういう人が読んでるんだったら、こういうことを書けば役に立つ、喜ばれるかもしれないなというところまで持って行きたいなという気持ちもあったりしますが。そいうことも期待しつつ、続けていくつもりです。